砕石ブログ
品質のバラツキ
2024-10-22
品質や工程の状態のバラツキを分析・管理するための手法の一つに「X管理図」があります。X管理図は、中心線(CL)と上方・下方管理限界線(UCL・LCL)の3本の線で構成されており、データの動向を視覚的に示します。このグラフの点の並びによって、異常が発生していないかを分析します。
X管理図では通常、「統計的管理限界(3σ)」を使用して管理を行います。具体的には、以下のように設定します:
- 中心線(CL):平均値
- 上方管理限界線(UCL):平均値+3σ
- 下方管理限界線(LCL):平均値-3σ
私はこれまで、すべての品質管理項目がJIS規格や社内規格を満たしていれば、「統計的管理限界(3σ)」でバラツキを管理できていると考えていました。しかし、実際には、取引先からの指摘により、取引先の要求や規制に基づく品質管理項目については「規格限界」で管理することが必要だと学びました。
例えば、弊社の砕石1505の粗粒率に関しては、社内規格で「6.35±0.20」と定められています。この場合、「規格限界」に基づく管理では、
- 中心線(CL):6.35
- 上方管理限界線(UCL):6.55
- 下方管理限界線(LCL):6.15 と設定する必要があります。この3本の線を基にバラツキをチェックすることが求められました。
他の品質管理項目でも同様に、「○○±△△」のような社内規格を設けている表乾密度や微粒分量については「規格限界」で管理する必要があります。一方、これ以外の項目については「統計的管理限界(3σ)」を用いた管理が適切です。
今回の事例では、品質が統計的に管理されていたにもかかわらず、取引先が受け取る品質に一貫性がないという問題が発生しました。この問題の原因は、規格限界ではなく統計的管理限界にのみ依存したためであり、結果として、品質が規格内にあったにもかかわらず、顧客の期待を満たさないばらつきが生じました。
バラツキのチェックとして、シューハート管理図には「8つの異常判定ルール」が存在します。砕石・砕砂の品質管理において、これほど厳密なチェックが必ずしも必要ではありませんが、重要なルールであるため、忘れないように画像を添付しておきたいと思います。尚、桃生石産ではルール1とルール2で管理しています。